長い歴史を持つ先進国。もはや戦争とは無縁で、人々はとうに平和ボケしている。
技術はかなり進歩しており、世界でも最先端。一方で、自国の歴史・文化の研究も盛んにおこなわれている。
トウマたちが暮らす町では、ほぼ全域、かなり深いところまで広がっているとされる、古代の遺跡群が見つかっている。そのため、各地から専門家や研究者が集い、調査が進められている。
ある日の発掘調査で、整った区画に大量の遺骨が見つかったというのが、近年で最も大きな出来事。
また、遺跡のみならず、この町とその周辺では、古来からの伝統と言われる風習も残っている。一例として、男性でも頭髪の一部を伸ばし、小さな編み込みを作る、というものがある。
遠い、紛争の絶えない地域・国々で、親を失った子どもたち。
先進国では、その受け入れ体制が整えられつつある。
この国でも、近年は富裕層を中心に戦災孤児を受け入れるブームが起きている。
ハルカの受け入れは、そのブームの先駆けとなるものであった。
古代の痕跡が発掘された場所。いまもなお氷山の一角しか発掘できていないと言われている。定期的に調査隊が入り、発掘を行っている。
人骨のほかにも、丁重に葬られたミイラ、武器や道具など、当時の文明・信仰の存在を示すものが見つかっており、かなり大規模な中央集権国家が存在したのではないかという説が有力になっている。
歴史、文化、技術、医学など、多岐にわたる専門家が集い、大規模な遺跡群の研究を進めている施設。
常駐の研究者の居住区画は、研究棟と渡り廊下でつながっている。
トウマとハルカが通う学園。
研究者が集う街であるため、その子どもたちも多く通っている。
学力レベルはそれなりに高いが、時折「地元民 (=元々この町や周辺に住んでいた者) と余所者 (=遺跡調査のために他の地域から越してきた者)」の対立が起きる。